一先生 康人間関係健環言表 境 葉 現ラーニングボードマテリアルゲームコラムまつもとたいちフリーランスの療育アドバイザー 放課後等デイサービスコンサルタント。カードゲームやボードゲームを用いて発達障害のある人のコミュニケーション能力を伸ばす「アナログゲーム療育」を開発。療育機関や就労支援機関などで実践するほか、各地で講演会や研修会を開催している。本 太松アナログゲーム療育アドバイザー放課後等デイサービスコンサルタント数ある遊びの中で、ゲームは「明確なルールが存在し、全ての参加者がそれを守り合って遊ぶ」点にその特徴があります。数ある遊びの中で、ゲームには「明確なルールが存在し、全ての参加者がそれを守り合って遊ぶ」点にその特徴があります。その中でデジタルゲームの場合、ルールの守り合いはプレイヤーの代わりにゲームのプログラムが担当します。ですから人間がいくらルールを破ろうとしても、決して破れることはありません。他方、ボードゲームは各プレイヤーが自分の頭でルールを理解し、意識してそれを守り合っていかなければゲームが成立しません。子どもたちがあるボードゲームを最後まで遊べたということは、「ルールの守り合い」に成功したということ。言い換えれば、彼ら全員がルールを理解し、それを尊重して遊ぶことに成功したということなのです。その成功体験は、子ども同士の信頼関係を作り、彼らの中に人と関わる自信を育んでいきます。他方で、ゲームを通じた「ルールの守り合い」に上手く参加できない子どもたちもいます。ルールの理解が難しかったり、思い通りに進まないとかんしゃくを起こしてしまったり、あるいは過去の失敗体験から参加に不安を感じる子たちです。大人は、こうした子たちがゲームの輪に入り、人と関わる自信を育んでいくための手助けをすることができます。たとえばルールの理解が難しい子にもっと簡単なゲームを選んだり、かんしゃくが起きる前に言葉がけをしてイライラした気持ちに気づかせてあげたり、参加を渋る子にはまずは他の子が楽しく遊んでいる様子を見せて安心感を作っていく、といったことです。大人のこうした手助けがあって、それまで難しかった「ルールの守り合い」に参加できたお子さんは、他の子にも増してゲームの時間を楽しみにしてくれるようになり、その中で成長をみせてくれます。このように、お子さんの成長のために大人が関われる余地があることは、ボードゲームの魅力の1つと言えるでしょう。https://www.wansaca.com/ボードゲームは ルールの守り合いで成立するボードゲームで 大人が手助けできること66ボードゲームで人と関わる自信を育むボードゲームにおける、子どもの育ちにつながる大人の関わりかた
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