ワンサカキッズ14別冊
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子さん 藤子どもの居場所クローバー代表 康人間関係健環言表  境 葉 現マテリアルゲームボードラーニングコラムふじたさちこ福岡県でフリースクールを運営。すごろくやスタンドを設置し、県内を中心に公立学校や図書館でもボードゲームの普及活動を行っている。大学在学中、研修でアメリカの福祉・教育を視察。その後、3つの市の嘱託職員として、学校内外で不登校の子どもたちをサポートしてきた。田 幸私がなぜボードゲーム活用を始めたかというと、シンプルに「楽しい!」と感じたから。学校へ行っていない子どもとの出会いの中で、学ぶことに自信を失っている、意欲をなくしている、という教育現場の危機感を感じていました。「学び」とは「辛いもの」、「遊び」は「楽しいだけで成長につながらないもの」と、大人が思い込んでいるように感じます。そのせいで、子どもたちも学ぶためには辛く大変なことを繰り返さなくてはいけないと誤解しています。本来「学び」とは「楽しいもの」です。知らなかったことを知るってワクワクします。新しい発見には心が躍ります。「遊び」は「楽しいもの」ということは、世間一般で理解されているので「学び」=「遊び」という方程式が成立するのかもしれません。それを実践するために、私のフリースクールでは100種類以上のゲームを置いています。「ナンジャモンジャ」は英語活動でも使えます。セリフを考える「ヒットマンガ」は、発想力を高めていきながら、コミュニケーション活動にも使用できます。中学生が特に好きなのは、数字を自由に操作する「ラミィキューブ」です。私が好きだからかもしれませんが、このゲームから、じっくり思考することを楽しむ子がいたり、数字に興味を持ち、数学に意欲が湧く子がいます。見学に来た大人がこのゲームを行うと「久しぶりに頭をフル回転させた」と話します。これからの子どもたちには、自ら、自由に新しいものを生み出す人になってほしいと願っています。また、ボードゲームを活用する理由として、大人と子どもの関係をフラットな状態にしてくれるという良さがあります。すなわち、自然体で対等な立場での時間が過ぎていくわけです。その空間には上下関係がなく、子どもが安心して過ごせる心の居場所となることができるのです。「遊びながら学ぶ」「安心して学ぶ」それが私が目指す学びの場です。ここから「遊びと学びを区別することのない楽しい学び」が広がっていってほしいです。ぜひ、教育現場でボードゲームの活用を♪65教育現場への ボードゲームの必要性、 ボードゲームが 心の居場所を作る

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