スクラボ8_特別支援版
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3得意を伸ばすプログラミング教材 サーキット・メイズ723-351¥5,200(税込¥5,720)障害のある子どもたちが学ぶために、ICTとそれを支える支援技術があることで学習への参加が容易になります。しかし、この考えはどうしても「弱いところ」に注目が集まります。しかし、彼らはすべてのものに弱さがあるとは限らないでしょう。見ることが弱くても聞くことは得意かもしれません。それと同様に、「得意を伸ばす」という発想でICTの活用を考えていく必要があります。もちろん、そこには見えない部分でサポートをしているものがあります。例えば、知的障害のある子どもは文字の学習だけでは難しくても視覚的な教材や自動化した操作をICT機器が手伝っているかもしれません。しかし、ここではそれらをいったん置いておいて得意を伸ばすということを考えたいです。デジタル機器では、表現することが容易にできるものがあります。例えば、絵を描くソフトで考えましょう。筆を持って絵の具を筆の先に付けて紙に描く、という操作であれば「筆を持つことに苦手さがある」「色を作ることが難しい」「間違えたらそれで終わり」ということを支援できます。何より、たくさん作っても大丈夫です。自由にそうぞう(創造・想像)の翼を広げてたくさんの絵を描いてもらうと、大人では発想できないものを作ってくれる子どもたちがいます。KOMAKOMAというクレイアニメのアプリがあります。これは、あるものを写真に撮って少しずつ動かして撮っていきつなげることで動画が作れます。ある特別支援学校の児童はこれを使ってゾウが赤と白の球をたべて、ピンクのウンチを出す動画を作りました。その発想の豊かさと奇抜さはなかなか大人ではできません。また、プログラミング学習の実践では教科指導の授業では30分も集中できない子どもたちが1時間以上も熱心に取り組んでいました。興味を持ち、それに向かうことができれば力を発揮できるものだと思います。そのためには、今ある力を発揮してできるようにすること、挑戦したいと思うような少し高い目標を提示することは、教員の大切な仕事になります。ICTは子どもたちを支援しますが、指導力や子どもの力を評価して次に何をすればいいかはやってくれません。ICTに使われるのでなく、ICTを使いこなして楽しい実践を展開してください。アプリ「KOMAKOMA」P.263掲載35アプリ・プログラミング教材

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