スクラボ8_特別支援版
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これとは別に音を文字にするという方法がICTの活用としてはよく使われます。最近のパソコンは性能も上がっているので、文字起こしの機能も上がっていますが、実は皆さんが使っているパソコンそのもので文字にしているのではなく、インターネット上のサーバに音声データを送って文字化しているものがほとんどです。字幕は聴覚障害のある人だけでなく、言葉の理解が弱い人にとっても役に立ちます。日本語を母語としない人たちなどです。MicrosoftのPowerPointには言葉を字幕にするだけでなく、翻訳した言葉で字幕にする機能などもあります。この他に、自閉症の子どもなどは「聴覚優位」といって、言葉での意思伝達よりも文字や絵で伝える方が理解しやすいということがいわれています。音は、流れてしまい再度聞き直すことができない場合もあるので、その意味をよく理解できないからです。また、視覚障害のある人はタブレットやマウスは利用が難しいのでキーボード操作を中心にパソコンを使う人が多いですが、タブレットにはまったく画面が見えなくても操作することができるような「VoiceOver(ヴィイスオーバー)」というようなアクセシビリティ機能もあります。●表現を変える方法 : 視覚情報を聴覚情報に変える2 つめの方法は視覚情報を聴覚情報に変えてしまうということです。最近のパソコンは標準で文字を音声で読み上げてくれる機能が入っています。インターネットで調べたサイトも音声で読んでくれれば、読みやすくなります。紙の本ではなく電子書籍になることで聞いて読むことができるでしょう。デジタル教科書はそういった意味では特別な支援を必要な子どもにはたいへん役に立ちます。さて、そうなっていない紙の書類ではどうでしょうか?そういう場合は、タブレットやスマホのOCRソフトを利用してカメラにとり、文字を認識させて音声読み上げまでする方法があります。ただし、位置の調整が難しい場合は、スキャナーなどを利用して読み込ませる方法もあります。この方法は、個人での利用を前提としていますので、広く配布する場合は著作権法によく確認しないといけません。●聞きやすくする方法 : 補聴器/文字化聞くことを助ける機器として一番に浮かぶのは補聴器でしょう。これは音を聞きやすくするものになります。実は、最近のスマートフォンには補聴器と連携する機能があり、対応する補聴器はスマートフォンとBluetooth 接続して音を聞きやすくする機能があります。●操作しやすくする方法 : 代替の入力装置最近のタブレットは指で操作することが基本です。しかし、そういった操作が苦手な人がいます。手にまひがある人、視覚障害があって画面がよく見えない人などです。そういった人のためには、代替の入力装置とよばれるものがさまざま用意されています。それらの装置はキーボードやマウスの代替となる機器や、特殊な装置を利用してスイッチ1つだけでコンピュータを操作するというものもあります。32操作することを助ける聞くことを助ける

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