1機能代替的なアプローチ学習にICTを活用するとしたら、皆さんは何を考えるでしょうか?まず浮かぶのは「教具」としての役割でしょう。教える先生がわかりやすく提示するための教材ということで電子黒板を使ったり、指導者用のデジタル教科書を用意すれば、効果的に授業が展開されるでしょう。しかしここでは、「学習者」の視点として、子どもたちが学びやすくするためのツールになるICTを考えてみたいと思います。はじめに考えるのは障害のある子どもの困難さの視点です。学びに困難がある場合、その原因として視覚障害や聴覚障害などそれぞれの違いを考えてしまいます。しかし、これらに共通する「情報」という視点で考えると、つながってきます。見ることや聞くことに困難があれば「情報を得ることに」に困難があります。書くことや操作することに困難があれば「情報を出力すること」に困難があります。理解すること、判断することに困難があれば「情報を取り扱うこと」に困難があるでしょう。どれも情報という切り口で考えていくことで課題は共通しますし、ICTはまさに情報そのものを扱います。ICTを使う上でどのような補助的ツールがあり、それらを上手に利用することで学びの支援になっていくかを考えていきます。学びの困難さについて、障害の違いではなく「情報」という切り口で共通の課題が見えてきます考えることで●はじめに特別支援教育においては、子どもたちの障害にあわせて、さまざまな教材を活用することが必要となります。それは、彼らの困難さに応じた指導をするため、特別な指導法だけでは解決しないからです。「やさしく接する」とか「本人の気持ちを理解する」ということは大切なのでしょうが、具体的な学習方法を身に付けるためには、自分で使えるツールを持っていることが必要です。そのためにはいろいろな教材教具がありますが、今はICT機器がとても注目されています。それはどうしてでしょうか。金森克浩 教授帝京大学教育学部初等教育学科30特 集ゼロからわかるICT機器活用入門ゼロからわかるICT機器活用入門特別支援教育特別支援教育でで活用活用できるできるととについてについて支援支援機器機器ICTICT機器機器
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