かぞえてあそぼうマグネット720-703¥20,900(税込)教材6(手づくり)教材5イラスト7目が手の動きをコントロールするようになると、「見て」から操作するようになります。次に内言が動作に関与するようになると、並んだものの始めと終わりを意識しながら、自発的なカウンティングが始まります(イラスト6)。このとき、数える対象に「穴」やマグネットによる触覚的なフィードバックがあると、視線が固定され、数える動作がより安定します(教材5)。順に数える、数字を順に並べるなど、「順序」は正解が目に見えますが、「量」を決めるには運動を止めなければならない(目に見えないきまり)なので難しいようです。「量」の学習は、数字を目にしたり数唱を聞いたりしたときに、その回数運動を起こすことが基本です。通常は、数唱に運動を合わせることができなかったら、数を数えることは困難です。そのため、「1,2・・・」と数を唱えながら階段を踏みしめる、お風呂で指を折るなどの日常的なかかわりは、聴覚と運動を統合するための基礎として重要です。しかし、たとえば、教材6(イラスト7)のように、視覚的な理解が強いお子さんは量も視覚的に学習し、数えなくても数字に合った数を示すことができる場合があります。その場合、操作の対象や場面、教材を変えて試してみます。すると、途端に混乱し、できなくなるということを経験します。このように、1つの感覚に偏って学んだ「量」は、他の場面に般化しにくいといえます。数字には、順序を表す場合と量を表す場合があります。「記号」はいくつもの意味をもち、また、状況との関係でその意味も変わってしまいます。そのような、環境との関係で変わる概念を柔軟に扱う(考える)ためには、どうしても、「目に見えないものを見る」ことが必要になります。以上のように、子どもが飛びつく教材選びは、子どもを知ることから始まります。各感覚の使い方や活動の方向性に気をつけながら、子どもが自然に手を出す教材を選ぶようにすれば、言葉の指示は必要ありません。子どもは、大人が見落としがちな、触り心地や提示の空間、選択肢の数などに大きく影響を受けています。触った感じがよいものに子どもは惹かれますし、つかみやすい(つまみやすい)大きさのものに手を出します。多くの場合、サイズを小さくすることによって全体像が見え、また、提示の背景として黒い学習枠を使うと、物と物との関係が掴みやすくなります。同じ教材でも、見本の位置を少し遠ざけただけでわからなくなることがあるのは、全体像が見えなくなってしまうためと考えられます。選択肢が多すぎても空間が広がってしまい、子どもはどこを見ていいかわからなくなるので、机の上をきれいにして、見て欲しい物だけ、子どもの視界に入る空間に提示するようにします。限定枠で、数字の順番を崩してやってみた。穴によって視線が固定しやすくなるアクリル筒とビー玉による数の基礎教材。手前は限定枠(教材が運動の終わりを教えてくれる)、奥は自由枠(自分で運動を止めなければならない)。自由枠で、数字に合った数を入れることができた。イラスト6指を置いて数えるP88掲載●触覚-運動と視知覚、聴知覚とが統合触覚-運動と視知覚、聴知覚とが統合する頃、目に見えないものへの挑戦が盛んに行われます。たとえば、現在、過去、未来の区別がつくこと、文字や数などの記号から意味を読み取ること、ブロックやパズルを、完成形を想像しながら組み立てること、人の気持ちを考えながら協力すること、あこがれの自分像をもつ等々、いわゆる想像力が飛躍的に育っていくのです。37ポイント2 目に見えないものを見るポイント3 見た目や触り心地
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